選べるシェアハウス


シェアハウスのメリットは、良い環境(設備)が安価で使用できるということが挙げられます。これらは先に示したゲストハウスよりルームシェアと同様のメリットなのですが、プライバシーを確保した物件で、費用がおさえられるという点はかなり大きなものがあります。そしてもう一つのメリットは、物件や個人によって変わってきます。

ルームシェアが個人なのに対し、シェアハウスは業者が行います。そのため多人数が集まることができる大きな物件を準備しているのですが、その「まとめ」がそれぞれに違いがあることがあります。シェアハウスを寮のようなものだと表現してきましたが、寮というのは学校や会社単位で行っており、シェアハウスは個の集まりという表現をしていましたが、個(人)を集めるために、目的(まとめ)をそれぞれ打ち出しているのです。外国人がシェアしており、英語が無料でレッスンできる。ペットを飼うことができる。バイクや自転車、音楽など趣味を共有している。女性専用でセキュリティーが整っているなど、ハウスにより「まとめ」の形はそれぞれですが、それを目的とするには最適な空間を提供しています。目的に合わせて最適な場所を選ぶことができる。それがシェアハウスのメリットなのです。


自由と共存


前項で「寮のようなもの」と示しましたが、学生や会社単位で行っている独身寮とは少々違いがあります。寮は共有スペースが大きく使用でき、専用設計であるシェアハウスと同じような作りになっています。ですが寮は基本的に、同じ学校、同じ会社という一定の括りがあります。働く(学ぶ)場所も、それ以降の時間も同じなのです。また寮のほとんどは食事つきであり、便利ではありますが社会人としては不便なこともあります。シェアハウスは住む場所が同じであっても、働く場所は違います。違う仕事、違う価値観を持った人と暮らしているのです。またあくまで個室以外をシェアしているものであり、それ以外は個人の自由です。他人と同じ家に住むためルールは存在しますが、寮のように細かく、そして厳しくは決められていません。

寮は男女が住むことはありませんが、シェアハウスはプライバシーが確保されているため、男女が同じ家に住んでいます。そのため出会いのきっかけになるケースも非常に多く、そのまま結婚するということも少なくありません。20代後半〜30代前半が過半数を占めており、一度一人暮らしを経験した人が多く、一人で暮らすよりシェアハウスのほうがメリットがあると感じているようです。


シェア専用物件


前項で示したように、現在のシェアハウスは外人ハウスやゲストハウスの発展系です。日本には古くから長屋文化があり、集まって住むことへの抵抗はもともとは少なく、複数で住むメリットというのを分かっていたのですが、戦後の欧米文化の浸透により、共有よりもプライバシーを優先するようになったためこのような形式はなかなか認められませんでした。ですが2000年代になり、シェア・共有という文化が若者に認められるようになると、シェアハウスは急激に進歩することになります。

それまでシェアできる物件というのは貸主次第であり、専用の物件というのはゲストハウスくらいであったのが、借主のニーズが高まったきたため業者が専用の物件を用意するようになったのです。それまでは共有部分はそう大きなものではなく、キッチンやバスルームなどは時間帯が重なると使用することが大変で、それも決めなくてはいけませんでした。ですが専用設計により、それらは広く、複数人であっても使用することができるようになっています。今までの物件は他人が一つの家で過ごすものでトラブルもありましたが、専用物件は多人数が一緒に暮らしてもプライバシーが確保され、窮屈でない寮のようなものと考えれば分かり易いと思います。


シェアハウスの歴史


シェアハウスはテレビなどの影響により人気が急上している住居方式ですが、その影響により正しく理解されていないのが現状のようです。シェアハウスは一軒の住居を複数で共有して住むことで、住居の形などや形式により呼び名は複数存在します。

もともと存在していたものに、賃貸アパートやマンション、一戸建てなどの複数の部屋がある住居を節約目的で複数で住むことを「ルームシェア」といいます。各部屋は個人のプライベート空間として使用し、茶の間や台所などを共有空間として使用します。複数で住むことにより、家賃や光熱費などは安くおさえることができ、家賃が高い都市部であってもある程度の物件に住むことができます。ただルームシェアは賃貸契約により居住者を限定されることがありますので、国内では貸主に届け出を出さなくてはいけません。ルームシェアは個人で行うことが多く、その物件で行えるかどうかは貸主次第です。

1990年代、国内で外国人が住める物件は特定の階級を除いては皆無に近い状態でした。国内では居住するさいに礼金や仲介手数料、そして連帯保証人が必要であり、これは国際的には珍しい契約方式です。そのような状況でしたので、外国人向けのアパートというのが商売として誕生し、「外人ハウス」と呼ばれました。外人ハウスは安い賃料であったため、国内外のバックパッカーなども利用するようになり、長期滞在ができ安い費用で宿泊できる施設「ゲストハウス」として利用されるようになり広がりをみせました。現在のシェアハウスはどちらかというと、後者の流れなのです。